症例9(問題)

次の症例について問題に答えよ.

 

症例

患 者:50歳代,女性.

主 訴:特記事項なし.

既往歴:甲状腺機能亢進症.

嗜 好:飲酒歴なし,喫煙歴なし.

現病歴:便潜血反応陽性で当院初診となった.一昨年にも他院で便潜血陽性を指摘され,

大腸内視鏡検査を施行し,異常を認めなかったため経過観察となっていた.血便や便通障害などの症状は認めない.

大腸内視鏡所見では,右側結腸に粘液を伴うLST(laterally spreading tumor)様病変を認め,

洗浄を繰り返すことでFig.1のような病変を認めた.

現 症:身長 157cm,体重 62kg ,体温 36.2℃,血圧 126/74mmHg,脈拍 68/min・整.

身体所見:貧血黄疸なし.胸腹部所見は異常なし.

検査所見: WBC 6240/μl,Hb 14.3g/dl,血小板数35.8×104/μl,TB 0.7mg/dl,AST 20U/l,ALT 50U/l,

LDH 193U/l,γGTP 20U/l,BUN 11.2mg/dl,Cre 0.77mg/dl,CEA,CA19-9はともに正常値.

 

 

大腸内視鏡検査所見Fig.1~3

  

Fig.1  通常内視鏡像.

Fig.2 インジゴカルミン撒布像.

Fig.3 インジゴカルミン撒布像.

 

問題

 

問1 内視鏡診断はなにか?

A:hyperplastic polyp

B:SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)

C:TSA(traditional serrated adenoma)

D:大腸線腫

E:大腸癌

 

問2 治療方針として正しいのはどれか?

A:経過観察

B:内視鏡的粘膜切除術(EMR)

C:ステロイド投与

D:内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)

E:外科手術

 

 

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