本用語は内視鏡で観察される表面構造を指す.
標準的な白色光内視鏡観察にインジゴカルミン色素撒布法を併用すると,表面構造が高いコントラストで描出される(Fig. 1).
色素撒布法により視覚化される正常粘膜における表面構造は胃小区構造,胃小溝である.
局在病変の診断に用いる表面構造は,大まかな凹凸・類小区構造や境界線の性状,周囲の粘膜や集中するひだの所見などから成り,
局在病変の質的診断や早期胃癌の境界診断・深達度診断などに有用である1).
8μm以上の最大分解能を有する光学的拡大内視鏡で視覚化されるsurface patternを表面微細構造MS(microsurface)patternと称する2).
特にNBIを拡大観察に併用すると様々なMS patternが視覚化される.
正常胃粘膜では,MS patternは,白色半透明の腺窩辺縁上皮(marginal crypt epithelium ; MCE),焦げ茶色の腺開口部(crypt opening ; CO),窩間部(intervening part ; IP)から成る(Fig. 2, 3).