症例12(問題)
次の症例について問題に答えよ.
症例
患 者:10歳代,男性.
主 訴:残便感,血便.
既往歴:なし.
嗜 好:飲酒歴なし,喫煙歴なし.
現病歴:1年前から時折排便時に血液の付着を認めていたが,特に受診はしていなかった.
その後も時折下着に血液の付着を認めたため,かかりつけ医を受診し炎症性腸疾患疑いで,
当院へ紹介となった.排便は有形であり,下痢・軟便は認めないが残便感を認める.
トイレ回数は1日あたりに5~6回であるが,毎回便はでないとのこと.
現 症:身長 165cm,体重 65kg ,体温 36.6℃,血圧 124/68mmHg,脈拍 90/min・整.
身体所見:貧血黄疸なし.腹部所見を認めず.
直腸診:軽度の血液付着.腫瘤を触知する.
肛門鏡:前壁右壁に炎症性を疑う隆起性病変を認める.
検査所見:WBC 6,050/μl,Hb 12.6g/dl,血小板数24.4×104/μl,TB 0.6mg/dl,
AST 13U/l,ALT 12U/l,ALP 1,324U/l,BUN 7.7mg/dl,Cre 0.59mg/dl
下部消化管内視鏡所見(Fig.1~3)
Fig.1,2 通常内視鏡像.
Fig.3 インジゴカルミン撒布像.
問題
問1 内視鏡所見から予想される疾患はどれか?
A:大腸癌
B:Crohn病
C:過形成性ポリープ
D:粘膜脱症候群
E:炎症性線維状ポリープ
問2 治療方針として正しいのはどれか?
A:経過観察(生活指導)
B:抗癌剤
C:内服・局所療法
D:内視鏡的切除術
E:外科的切除
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