症例21(問題)

次の症例について問題に答えよ.

 

症例

患 者:20歳代,男性.

主 訴:吐血,黒色便

既往歴:胃潰瘍

手術歴:なし

嗜 好:飲酒歴;機会飲酒,喫煙歴;なし

現病歴:前日夜間に吐血,黒色便を認めたため前医に受診,Hb12.2 g/dlであり,同年の職場健診ではHb14.3g/dlであったため,貧血が進行したとのことで当院に紹介初診となった.

同健診では血清H.pylori抗体は9.5U/mlであり,上部消化管内視鏡検査を勧められたが,症状もなかったため検査は施行したことがない.内服歴は特になし.

現 症:身長 168cm,体重 56kg ,体温 36.2℃,血圧 118/78mmHg,脈拍 74/min・整.

身体所見:貧血黄疸なし.心窩部に軽度の圧痛を認める.直腸診;便やや黒色.

検査所見:WBC 4550/μl,Hb12.4g/dl,血小板数22.4×104/μl,TB 0.8mg/dl

     生化学検査;BUN29.4 mg/dL,Cr0.87 mg/dL

     腫瘍マーカー;SCC,CEA正常範囲内

 

問題

問1 まず最初にすべき処置はどれか.

A:血管造影検査

B:造影CT検査

C:上部消化管内視鏡検査

D:血清H.pylori抗体再検査

E:輸血・酸分泌抑制薬投与

 

上部消化管内視鏡検査の結果(Fig.1~3)と治療後の写真(Fig.4)を示す.

  

Fig.1~3:胃の通常内視鏡像

Fig.4:治療後の写真

 

問2 次に行うべき処置はどれか.

A:H.pylori除菌治療

B:酸分泌抑制薬投与

C:予防的手術

D:セカンドルック(止血確認のための内視鏡検査)

E:バソプレシン投与

 

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