<はじめに>
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography;ERCP)は胆膵疾患診療において不可欠な手技です。
胆管や膵管へのカニュレーションが最初のステップですが、初学者がつまずきやすい難関でもあります。
また、このカニュレーションができなければ、それ以降の処置を開始することができません。
さらに、カニュレーションができず何度も試みているうちに主乳頭に浮腫が起これば、その後にERCP後膵炎(post-ERCP pancreatitis ; PEP)の発症も懸念されます。
私は今までは造影カテーテル内に事前にガイドワイヤーを挿入して、造影を併用しながら主乳頭をカテーテルで狙うカニュレーション法、ガイドワイヤー先行のwire-guided cannulationを主に選択してきました。
しかし、近年はPR-110Q-1細径造影カテーテル(StarTip 、オリンパス社製)内に0.018ガイドワイヤー(Fielder18、オリンパス社製)を挿入して、カニュレーション法で挿管を行うことが多くなってきています。
正確に比較をしたわけではないですが、この方法に変更してから挿管までの回数や時間が短くなったように感じています。
今回、PR-110Q-1とFielder18を用いたカニュレーションについてご紹介いたします。