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Piglet Stentを用いたステンティングのコツ 
~チャネル内展開法の要点~ 
渡辺 真郁 (北里大学医学部 消化器内科学)

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<はじめに>

 内視鏡的逆⾏性胆管膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography ; ERCP)における胆道ドレナージでは、プラスチックステントが汎用されます。当施設は、逸脱しにくいピッグテール型ステント「Piglet Stent」(Olympus Medical Systems社)を好んで使用しています。

 ピッグテール型ステントをリリースする際に、「ステント先端位置がずれてしまう(奥に入ってしまう)」、「スコープが動いてしまい安定しない」、「十二指腸乳頭部との距離がとれず、リリースしにくい」といった経験はありませんか?

 Piglet Stentはこれらの悩みを解決する使用しやすいステントです。当施設で実施しているPiglet Stent留置のコツ「チャネル内展開法 1)」について解説します。

 

<Piglet Stentとは>

 Piglet Stentは柔軟なインナーカテーテルと段差の少ないデリバリーシステムを有する、デリバリーシステム一体型ダブルピッグテール型ステントです(Fig.1)。

Fig.1 Piglet Stent(Olympus Medical Systems社).

 

巻きの緩いピッグテール型のため胆管枝にも留置しやすく(Fig.2)、

Fig.2 肝門部胆管癌症例.角度の浅いB2にも安定して留置が可能.

 

総胆管に丸めて留置することも容易です(Fig.3)。

 

Fig.3 膵癌による遠位胆管狭窄例.総胆管への留置も容易.

 

硬さと柔らかさのバランスが絶妙であり、屈曲の強い部位への留置(Fig.4,5)も行いやすいステントです。

Fig.4 肝門部の屈曲が強い肝内結石例.採石具は肝門部を越えられなかったが,Piglet Stentは容易に挿入可能であった.

 

Fig.5 後腹膜(腎臓後方)まで連続するwalled-off necrosis症例.十二指腸下行部から約180°の屈曲であったが,ステントが柔らかく留置可能であった.


 Piglet Stentの大きな特徴が、ステントとプッシングカテーテルの連結部にあります(Fig.6)。

Fig.6 特徴的な連結部.

 

この特徴的な形状によって、インナーシースの抜去後もステントとプッシングカテーテルは連結(同軸)を維持できます(Fig.7)。

Fig.7 インナーシースの抜去前後の画像.インナーシースの抜去後もステントとプッシングカテーテルは連結(同軸)を維持している.

 

現在ピッグテール型ステントでこの連結方法を採用しているのはPiglet Stentのみです。

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