内視鏡AIの基本情報と市販されている内視鏡AI製品一覧

ブックマーク登録

かつて医師の「目」と「経験」に頼っていた内視鏡診断。

そこに今、AI(人工知能)が加わることで、診断の精度とスピードの向上が期待されています。

この連載では、内視鏡AIの基礎から最新の製品情報まで、実際の活用例を交えながら、わかりやすく解説していきます。

【そもそも内視鏡AIとは?】

内視鏡AIとは、内視鏡検査中にリアルタイムで画像を解析し、病変の検出や診断支援を行う人工知能技術です。

2010年代後半から研究開発が本格化し、2020年代に入ってからは国内外で実用化が進み、すでに複数の製品が医療現場で使用されています。

 

【内視鏡AIの性能と機能】

内視鏡AIは大きく2つの機能に分類されます。

CADe(Computer-Aided Detection):病変の「検出」を支援するAI。ポリープや潰瘍などの異常をリアルタイムでハイライト表示します。

CADx(Computer-Aided Characterization)病変の「鑑別」を支援するAI。鑑別結果に対する確信度も表示します。

これらの技術は、医師の見落としを防ぎ、診断の質を均一化することに貢献しています。

 

【現在(2025年6月時点)市販されている内視鏡AI製品一覧(国内)】

現在市販されている国内の内視鏡AI製品リストをご紹介します。

各製品の詳細は、表の一番左の「製品名」にあるリンクからご覧いただけます(順次公開予定)。

また、各企業の関連ページへは、表の一番右の「リンク」欄からアクセスできます。

製品名
製造販売元

モデル名

対象臓器 機能
特徴(簡易版) リンク
gastroAI AIメディカルサービス gastroAI model-G,G2 CADe(+CADx) 胃内で撮影した静止画像にて腫瘍の被疑領域を検出する。 リンク
CAD EYE® 富士フィルム EW10-EG01 食道(BLI,LCI)
(白色光,LCI)
CADe 食道扁平上皮癌や胃腫瘍性病変が疑われる領域を検出し、リアルタイムにモニターに表示する。 リンク
EW10-EC02 大腸 CADe(白色光,LCI) 大腸ポリープが疑われる領域を検出し、リアルタイムにモニターに表示する。
CADx(BLI,白色光) 大腸ポリープが腫瘍性または非腫瘍性である可能性を推定し、リアルタイムに推定結果をモニターに表示する。
EndoBRAIN®シリーズ サイバネットシステム
販売:オリンパス
EndoBRAIN-EYE® 大腸 CADe ポリープ・がんなどの病変候補を検出し、リアルタイムに音と画面上の色で警告し,検出位置を枠で表示する。 リンク
EndoBRAIN®-X CADx NBIモードでの撮影で大腸ポリープの鑑別予測(腫瘍・非腫瘍)を行う。
EndoBRAIN® CADx 超拡大内視鏡Endocyto®での撮影でリアルタイムに腫瘍・非腫瘍の病理結果を予測し、信頼度を数値で表示する。
EndoBRAIN®-Plus CADx 超拡大内視鏡Endocyto®で撮影された染色画像でリアルタイムに腫瘍・非腫瘍の病理結果を予測し、信頼度を数値で表示する。
EndoBRAIN®-UC CADx 超拡大内視鏡Endocyto®で撮影したNBI画像からリアルタイムに粘膜の炎症活動性の有無を予測し、信頼度を数値で表示する。
EIRL® LPIXEL EIRL® Colon Polyp 大腸 CADe 大腸ポリープが疑われる領域を検出し、リアルタイムに病変検出を支援する。 リンク
WISE VISION® NEC WISE VISION® 大腸 CADe 大腸前がん病変および早期大腸がんの病変候補部位をリアルタイムで解析し、病変検出を支援する。

(2025年6月時点)

 

 

「胃と腸」2025年8月号(60巻8号)は、AI特集号として刊行されております。

本連載とあわせて、ぜひ「胃と腸」最新号もご覧いただけますと幸いです。

AI技術の消化管内視鏡診療への応用について、多角的な視点から解説されています。

「胃と腸」2025年8月号
消化管内視鏡診療におけるAIの活用と展望

ぜひお近くの医学書取り扱い書店でお求めください。

◎お近くの取り扱い書店はこちら

◎弊社HPはこちら

こちらの記事の内容はお役に立ちましたか?