身につく画像読影スキル! 初心者から専門医まで 書評者:平澤 俊明(がん研究会有明病院上部消化管内科胃担当部長)

身につく画像読影スキル! 初心者から専門医まで
書評者:平澤 俊明(がん研究会有明病院上部消化管内科胃担当部長)

 ここは大都会のとあるがん専門病院。消化器内科の後期研修を終え奮闘中のレジデント君(医師6年目,大阪生まれの大阪育ち)が,3度の飯より内視鏡好きの指導医に何やら相談している。

レジデント:こないだ,研究会で内視鏡の読影を当てられて……,いきなりやったし,何から話したらええもんかとパニックになって,ダメダメでした……。

指導医:読影にはある程度決まった流れがあってね,その流れに沿って,所見を正確に読み取り,そこから鑑別診断を挙げていくことがポイントなんだよ。

レジデント:ひととおり教科書は読んで,疾患は理解しているつもりやったんですけど,読影にはうまく活かせへんかったなぁ……。

指導医:確かに,一般的な教科書は読影のトレーニングには向いていないね。そこで,オススメの本が『「胃と腸」式 読影問題集2023 基本と応用―考える画像診断が身につく』です! 本といっても正確には雑誌『胃と腸』の増大号なのですが……。

レジデント:へえ,どんな内容が書いてあるんですか?

指導医:まず,臨床情報と内視鏡画像が2ページにわたって「問題」として提示されています。そして次の2ページの「解説」では,どのように画像を読影するかが丁寧に記載されていて,そこからどのような思考回路で鑑別診断を挙げていくかが詳しく解説されているんだよ。

【問題】
(い)2023年4月増大号(画像1).png

【解説】
(い)2023年4月増大号(画像2).png

レジデント:まるで,研究会の読影を再現してるみたいやなぁ!

指導医:そうなんだよ。研究会で学んだことは,1週間もすると記憶が怪しくなってくるよね。でも,この本は何度も読み返して,読影力を鍛えることができるんだ。

レジデント:なるほど,本やと何回でも復習できるなぁ! 他にもなんか特徴はありますか?

指導医:そうだね。とにかく症例が良く,内視鏡画像が美しいことかな。画像も大きく表示されていて,細部まで確認できます。最近,老眼になってきたので,小さな画像は見づらいんだよね……。

レジデント:ますます読んでみたくなったなぁ……。先生的にも読みごたえありました?

指導医:研修中の若手医師はもちろん,私たち指導医のレベルでも十分勉強になる内容だったよ。内視鏡診療に関わるすべての医師にオススメの本だね。読影力を向上させるだけでなく,臨床現場での対応力もアップできます。

レジデント:先生,ええ本を教えていただいてありがとうございます!! この本を参考にして,内視鏡の読影力をしっかり磨いていこうと思います!!

指導医:素晴らしい心構えですね。この本を活用して,患者さんに最善の医療を提供できるようになることを期待しています。頑張ってください!

(関西弁監修:多根総合病院消化器内科 中尾栄祐)

 

 

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