症例10(問題)

次の症例について問題に答えよ.

症例

患 者:20歳代,男性.

主 訴:吐血,嘔吐.

既往歴:なし.

嗜 好:飲酒歴なし,喫煙歴なし.

現病歴:夕食後に吐き気を認め嘔吐した.その際は食事の残渣のみであったが,直後に再度嘔吐をした際,

100cc程度の吐血を認めたためにその日は安静にしていた.翌日やはり不安になり,心窩部違和感も続くため当院を

受診した.黒色便などは認めなかった.

現 症:身長 172cm,体重 63kg ,体温 36.4℃,血圧 114/74mmHg,脈拍 70/min・整.

身体所見:貧血黄疸なし.心窩部に軽度の圧痛を認めた.

検査所見: WBC 4,980/μl,Hb 15.0g/dl,血小板数 35.8×104/μl,TB 0.7mg/dl,

AST 20U/l,ALT 50U/l,LDH 193U/l,γGTP 20U/l,BUN 11.2mg/dl,

Cre 0.77mg/dl,CEA,CA19-9はともに正常値であった.

 

上部消化管内視鏡所見Fig.1~3

Fig1Fig.2Fig.3

Fig.1  食道胃接合部左壁と下壁に裂創を認める.左壁の裂創は凝血塊(coagula)の付着を認める.

Fig.2  反転操作ではヘルニア内にcoagulaの付着を認める.活動性の出血は認めない.

Fig.3  coagulaをはがしても露出血管や活動性出血は認めない.

 

問題

 

問1 内視鏡所見はなにか?

A:マロリーワイス症候群(MWS)
B:特発性食道破裂(IEP)
C:逆流性食道炎
D:Crohn病
E:食道裂孔ヘルニア

 

問2 治療方針として正しいのはどれか?


A:経過観察
B:5-ASA製剤投与
C:クリップ法
D:アルゴンプラズマ凝固法
E:高周波凝固法

 

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