―デバイスにこだわらない「主義」は、細部までこだわる「手技」だった。
平澤 欣吾(横浜市立大学附属市民総合医療センター 内視鏡部・准教授/部長)
定価:8,800円(税込)、192頁、B5判、並製
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目次
- はじめに
- 第1章 「こだわらない」平澤流の鉄則
鉄則1 最も重要な準備は「患者さんと信頼関係を築くこと」
鉄則2 「自分の目以外信用しない」くらいのポリシーをもて
鉄則3 安全に素早く治療するため,デバイスにはこだわらない
鉄則4 スコープの選択も柔軟に
鉄則5 術前検査で治療ストラテジーを立てる
鉄則6 「鎮痛」も含めた鎮静を考える
鉄則7 全身麻酔も1つの「ひきだし」
鉄則8 準備したうえで,難易度の高い病変に挑戦する
鉄則9 「速さ」は「安全」に直結する
鉄則10 偶発症は起こる前提で,起こったらどうするかを考える
鉄則11 内視鏡治療≒外科治療だと思え
鉄則12 「引き返す勇気」と「手術に回す勇気」をもとう
鉄則13 外科医の信頼を得る
鉄則14 「学び」も「復習」も,能動的に行おう
- 第2章 「診断」があっての「治療」である
1 通常観察で「アクセント」をとらえる
2 NBIの使い方には「2種類」ある
1.拡大観察による深達度診断
2.病変の拾い上げ
3 NBI通常観察の有用性と白色光との使い分け
4 通常観察における基本的な指標
5 すべてNBIでよいわけではない:未分化型癌との相性
6 除菌と病変可視化の関係
7 肉眼型の重要性を再認識しよう
8 病理的な裏付けを学ぶ
▪ 忘れられないSM症例──病理との切っても切れない関係性
▪ LST-NGにおける線維化の罠
9 早期癌はもちろん,進行癌の診断も学ぶべし
10 診断学は大事,だからこそ「過信」しすぎない
11 「生検をしない」というこだわりをもたない
- 第3章 EMR・ESD,どちらを選ぶか?
1 基本は「確実かつ,楽で早いほう」を選ぶ
▪ 指針にとらわれすぎず「柔軟な選択を」
▪ EMRとESD,それぞれの特性と使い分け
2 underwater EMRを「ひきだし」に入れよう
▪ 日常の検査で「水を溜めてみる」
▪ 「早期癌=ESD」だけではない視点を──UEMR活用のコツ
3 食道EMR・ESD,どちらを選ぶか?
▪ EMRとESD,瘢痕の違いを理解する
▪ 2nd ESDを見据えた治療選択
▪ 食道癌の異時多発性と「リカバリーショット戦略」
▪ APCの注意点と,過信による落とし穴
4 胃EMR・ESD,どちらを選ぶか?
▪ ラズベリー型胃癌にはUEMRが有効!
▪ 胃腺窩上皮過形成ポリープにもEMR!
5 大腸EMR・ESD,どちらを選ぶか?
▪ 0-I病変はESDか? 手術か?──症例から学ぶすみ分け
1.MRSを呈したが,なんとかESDを完遂できた症例
2.ESDを中断し,外科手術となった症例
3.MRSは術前に予測できるか?
▪ 直腸だけは別!──なんとかESDで頑張りたい理由
▪ 技術と判断の両立が肝要
▪ 直腸NETはEMRか? ESDか?
6 十二指腸EMR・ESD,どちらを選ぶか?
▪ 十二指腸EMRには,underwaterがオススメ!
▪ UEMRのポイントと注意点
7 「難易度」の見極めと,治療ストラテジーの立て方
- 第4章 平澤流「こだわらない」デバイスの選び方
1 平澤流・スコープの選び方
2 平澤流・フードのコツ
3 平澤流・スネアの「ひきだし」
4 平澤流・ESDナイフの選び方
▪ 先端系の限界とナイフの“立ち”──セカンドデバイスとしてのITKnife
▪ 当院でのナイフ使用戦略
▪ 1回の治療でナイフを2本使っても問題ない?
1.デバイスコストvs保険点数
2.「1本主義」が生むリスク
3.「自分に合ったナイフ」を選んでOK
4.右の道がダメなら左へ──常に「ひきだし」を
- 第5章 平澤流EMR・ESDのTips
1 内視鏡治療までのロードマップ
▪ 拡大観察のトレーニングは時間をかけるべし
▪ 臓器ごとの学びで完結させない
▪ 臓器ごとの“経験”は他臓器でも活きる
▪ ハンズオンでの学び方
2 術前の画像は「治療をイメージして」撮影しよう
3 平澤流EMRのTips
▪ EMRもESDと同じくらい大切な手技
▪ 局注のコツ
▪ スネアリングのコツ
1.有茎性ポリープのスネアリング
2.平坦病変はどうする?──tip in EMRのススメ
▪ 介助者との呼吸を合わせる
4 平澤流ESDのTips
▪ 平澤流ESDの基本ストラテジー
▪ 見下ろし/反転にもこだわらない
▪ 平澤流はスコープで切らずに右手で切る
▪ ITKnifeでの切り方は「中から外へ」
▪ 病変との適切な「距離感」を身につける
▪ 先を「予測」しながらESDを行う
▪ ESD全体のバランスも考える
▪ 同じ動作を2回やっても切れなかったら「次」を考える
▪ 呼吸性変動が強い患者やSASの患者ではどう切るか?
▪ 介助者のスキルはESDのクオリティに直結する
5 食道EMR(ESMR-L)のTips
6 食道ESDのTips
▪ 基本のC字切開法
▪ 環周率の高い病変に対する工夫
▪ Barrett食道腺癌のESDはどうする?
7 胃EMRのTips
▪ ラズベリー型胃癌のUEMRによる切除
▪ 胃腺窩上皮過形成ポリープのEMRによる切除
8 胃ESDのTips
9 大腸CSPのTips
10 大腸ESDのTips
▪ 大腸ESDでもマーキングを行おう
▪ underwater ESDのススメ
11 偶発症は起こるものとして準備しておく
▪ 穿孔しても焦らないこと
▪ 閉鎖・縫合アイテムも「ひきだし」をもっておく
12 クリップによる縫縮
▪ EZ Clip・ZEOCLIPⓇ・SureClipⓇ
▪ Mantisクリップ
▪ ROLM(Reopenable-clip over the line method)
▪ OTSC
13 EHS(endoscopic hand suturing)による縫縮
14 充塡法(PGA)
15 どのような病変で予防的縫縮を行うか?
16 検体にリスペクトを払え
- おわりに
- 索引