ナイーブ乳頭の挿管困難例で強い味方となる膵管ガイドワイヤー法。
膵管に入れたガイドワイヤーの上を通り過ぎるようにクロスして、
胆管にカテーテルを挿入する方法が比較的メジャーかと思いますが、
逆のアプローチをする「サイド法」も時にとても有用です。
少しコツがいるものの、習得すると挿管率をぐっと上げることができます。
「サイド法」ですが、まず、膵管にガイドワイヤーが入ったら、
一度鉗子挙上台を慎重に下げてワイヤーを鉗子挙上台から外し、
カメラを左に振ってから鉗子挙上台を上げることで、
鉗子挙上台の右横の溝にワイヤーをひっかけます。
鉗子挙上台を上下に上げ下げしても、膵管ガイドワイヤーが動かなくなれば準備完了です。
膵管ガイドワイヤーを右に置いた状態でそっとカテーテルを出してみましょう。
このとき、カテーテルのみが鉗子挙上台の上にある状態となり、
膵管ガイドワイヤーが動かなければ成功です。
たったこれだけの手間で、
膵管ガイドワイヤーのことを考えながら胆管を狙う不自由さがかなり軽減されます。
左(鉗子挙上台に載った)カテーテルのみを操作し、
右の膵管ガイドワイヤーはいわば操作を行わない「抱えた」状態になりますね。