Tips 298 膵管ガイド、困ったときにはサイド法~右がダメなら左から 
山口 未桜(作家、医師資格として日本消化器内視鏡学会専門医、日本膵臓学会認定指導医など)

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ナイーブ乳頭の挿管困難例で強い味方となる膵管ガイドワイヤー法。

膵管に入れたガイドワイヤーの上を通り過ぎるようにクロスして、

胆管にカテーテルを挿入する方法が比較的メジャーかと思いますが、

逆のアプローチをする「サイド法」も時にとても有用です。

少しコツがいるものの、習得すると挿管率をぐっと上げることができます。

 

「サイド法」ですが、まず、膵管にガイドワイヤーが入ったら、

一度鉗子挙上台を慎重に下げてワイヤーを鉗子挙上台から外し、

カメラを左に振ってから鉗子挙上台を上げることで、

鉗子挙上台の右横の溝にワイヤーをひっかけます。

鉗子挙上台を上下に上げ下げしても、膵管ガイドワイヤーが動かなくなれば準備完了です。

膵管ガイドワイヤーを右に置いた状態でそっとカテーテルを出してみましょう。

このとき、カテーテルのみが鉗子挙上台の上にある状態となり、

膵管ガイドワイヤーが動かなければ成功です。

 

たったこれだけの手間で、

膵管ガイドワイヤーのことを考えながら胆管を狙う不自由さがかなり軽減されます。

左(鉗子挙上台に載った)カテーテルのみを操作し、

右の膵管ガイドワイヤーはいわば操作を行わない「抱えた」状態になりますね。

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