CMSEP (ガストロ用語集 2023 「胃と腸」47巻5号より)

colonic muco-submucosal elongated polyp

 1992年に眞武らは組織学的に分類困難な長い茎を有した大腸ポリープの4例を報告した.1994年眞武ら1)はその特徴と病理組織学的所見を呈するこれらのポリープをCMSEP(colonic muco-submucosal elongated polyp)と呼称することを提唱し,今日一つの確立した概念として定着している.

 X線,内視鏡的特徴としては,肉眼的に表面は正常粘膜で覆われる長い有茎性のポリープで,表面には脳回転様ひだや発赤を伴うことが多い(Fig. 1, 2)

Fig. 1 CMSEP のX 線像.S 状結腸に茶匙状の有茎性ポリープを認める.
Fig. 1 CMSEP のX 線像.S 状結腸に茶匙状の有茎性ポリープを認める.

Fig. 2 色素内視鏡観察では,ポリープは正常粘膜に覆われている.
Fig. 2 色素内視鏡観察では,ポリープは正常粘膜に覆われている.

組織学的には異型や炎症のない正常粘膜に覆われ,粘膜下層は静脈とリンパ管の拡張を伴い,浮腫状の疎性結合織から成り,正常の筋層は認めないものとされている(Fig. 3)