Cowden病 (ガストロ用語集 2023 「胃と腸」47巻5号より)

Cowden’s disease

Cowden病は1963年にLloydら1)によって初めて報告され,その患者名が名前の由来である.

PTEN遺伝子の変異が原因と報告されている.常染色体優性遺伝とされるが2),本邦では孤発性の報告が多い.

特徴的所見として,(1) 顔面の外毛根鞘腫,乳頭腫性丘疹などの皮膚病変,(2) 消化管ポリポーシス,(3) 多臓器の多彩な腫瘍性病変が挙げられる.

消化管ポリープは組織学的には過形成性または過誤腫性のポリポーシスであり,食道に高頻度に認められるびまん性ポリポーシスが他の消化管ポリポーシスとの鑑別点の1つとなる(Fig. 1)