小腸大腸病変の診断法の1つとして近年MRI(magnetic resonance imaging)が注目されている.
MRIは肛門病変や瘻孔など腸管外病変の評価に特に有用であるが,
デバイスの進歩による撮影時間の短縮で蠕動の影響が最小限となり,撮影法・前処置の改良から腸管内・壁内病変の存在診断・活動性の評価が可能となった.
なにより,他の消化管の検査では多くなりがちな放射線被曝を回避できるのが最大のメリットであり,
欧州をはじめとして腸管病変の診断においてMRIを第1選択のひとつとする動きがある.若年者の多い炎症性腸疾患ではよい適応となる.
MREC(MR entero-colonography)はこれまでのMR enterographyの前処置の改良により小腸と大腸を同時に評価することができるようになった(Fig. 1, 2)1).
ゾンデ挿入や注腸の必要がなく非侵襲的で簡便である.
また,MRECに引き続き内視鏡検査を行うことで,小腸病変のスクリーニングと大腸の微細病変および組織学的な評価が同日で可能となり,実臨床上簡便かつ有用である.
ただしニフレック?の小腸通過時間に個人差があり,上部小腸の評価が困難なことがある.
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特によい適応となるのは (1) 治療効果判定,(2) 内視鏡が通過困難な狭窄病変より口側腸管の評価,