NK細胞(ナチュラルキラー細胞)(二村 聡の消化管病理用語集)

NK cell(natural killer cell)

細胞傷害分子 (パーフォリンやグランザイム)を含む大型の顆粒を有する特殊なリンパ球です。がん細胞やウイルス感染細胞に対して傷害活性を発揮します。

なお、NK細胞は細胞質CD3 epsilon (cCD3e)を発現していますが、細胞膜CD3は発現していません。したがって、cCD3e抗体を用いた免疫染色によってNK細胞とT細胞を区別することはできません。組織標本上でNK細胞であることを証明するためには、細胞膜CD3陰性であること、CD56陽性であること、細胞傷害分子を発現していることを確認する必要があります(Fig.1)。

実臨床での遭遇頻度はきわめて低いのですが、NK細胞腫瘍が疑われた場合は、血液腫瘍病理診断の専門医に速やかにコンサルトすることが肝要です。


Fig.1 lymphomatoid gastropathy の病理組織像.
a:HE染色像(弱拡大).粘膜固有層にびまん性の細胞浸潤を認め,腺管密度は減少していた.
b:HE染色像(中拡大).腺管上皮内への浸潤所見(NK-LEL).浸潤細胞は,明るい細胞質と類円形の核をもっていた.
c:HE染色像(強拡大).細胞質内には好酸性粗大顆粒を認めた(矢印).
d:CD56免疫染色像.粘膜固有層にCD56陽性細胞がびまん性に浸潤していた.

津山直子,他:リンパ腫様胃症(Lymphomatoid gastropathy).胃と腸 49:811-815,2014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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著者

  • 二村 聡 : 福岡大学筑紫病院病理部・病理診断科

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