RAC(regular arrangement of collecting venules)とは内視鏡的に“胃体部に集合細静脈が規則的に配列する像”を指す1)2).
遠景では“無数の点”として視認され(Fig. 1),近接では“ヒトデ状の血管模様が整然と配列する像”として視認される(Fig. 2)1).
このようなRAC像が胃体部全体に観察される場合をRAC陽性としてH. pylori非感染の正常胃と判定する1)2).
RAC陽性の場合は95%の正診率でH. pylori非感染の正常胃である1)2).
十二指腸潰瘍など萎縮領域が遠位側のみのH. pylori感染胃では体上部にはRAC類似内視鏡像(ニセRAC)が観察されることがある.
これは前庭部優位胃炎で体上部まで炎症がほとんど及んでいないためである.
このような症例でも体下部ではRAC像が消失していることが多い.
RAC陽性か否かの判定は体下部で行うことを筆者は推奨している(Fig. 3).
典型的なH. pylori非感染の正常胃では胃角から前庭部小彎の近位側にもRAC像が観察される(Fig. 4)1).