ホルマリン固定パラフィン包埋組織切片を用いた現在の組織病理学的手法では、NK細胞とT細胞を明確に区別できないため、慣習的にNK/T細胞と表記されるようになりました。
また、腫瘍細胞の起源すなわち由来細胞がT細胞であってもNK細胞であっても臨床像や生命予後に大きな違いがないことから、分類上はT/NK細胞リンパ腫と表記されています。
日本人の消化管に病変を形成するT/NK細胞リンパ腫の代表的な疾患単位・病型は、成人T細胞白血病/リンパ腫 (ATL/L)、monomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphoma (MEITL)、節外性NK/T-cell lymphomaの3つです。
いずれも遭遇頻度は高くありませんが、御三家として知っておいたほうが良いでしょう。
なお、最新のWHO分類の疾患リストには、indolent NK-cell lymphoproliferative disorder of the gastrointestinal tractという術語も掲載されています。
この疾患は2010年に竹内賢吾博士によって提唱された lymphomatoid gastropathy とまったく同じものです。
EBウイルス非感染性NK細胞の増殖巣からなる病変で、治療せずとも自然軽快・消失することが臨床的特徴でもあります。
胃のみならず腸管にも発生することから、WHO分類では前述の名称が採用されました。
