腸内細菌に属するYersiniaの3菌種、すなわちY. pestis、Y. pseudotuberculosis、Y. enterocoliticaを原因菌とする感染症の総称です。
Y. pestisは一類感染症であるペストの原因菌で、致死的です。
Y. enterocoliticaは、乳幼児では急性胃腸炎、成人では終末回腸炎 (回腸末端炎)・虫垂炎や腸間膜リンパ節炎の原因となります。
Y. pseudotuberculosisは、菌の性状や病原性はY. enterocoliticaに類似します。
通常、後二者による疾患をエルシニア感染症 (エルシニア症)と呼んでいます。
実臨床では、累々と腫大した腸間膜リンパ節が画像上、リンパ腫と紛らわしいことがありますので、鑑別診断には患者年齢の確認が重要です。
急性期に生検すると病変内に大型リンパ球 (activated lymphocyte)が多数出現するため、これをリンパ腫細胞と誤認しないよう注意が必要です。
急性期を過ぎると病変内に類上皮細胞肉芽腫を形成し、同部に好中球浸潤を伴うことがあります。
本疾患の確定診断には、生検ではなく、糞便からの菌の検出が必要です。
菌数の多い材料では、選択培地で直接分離できます。
一方、菌数の少ない材料では、リン酸緩衝液を用いた低温増菌法を併用することが望まれます。
