demarcation lineとは,一般的には,境界線,分画線,分界線を指し示す用語である.
局在した粘膜病変の拡大内視鏡診断を行う際の指標に用いる場合,局在病変の背景粘膜と病変に存在する明瞭な境界線をdemarcation lineと称する(Fig. 1)1).
demarcation lineの有無を判定するには,背景粘膜と病変の間に微小血管構築像〔MV(microvascular)pattern〕
または表面微細構造〔MS(microsurface)pattern〕の急峻な変化(abrupt change)を認める場合を,demarcation lineありと判定する.
demarcation lineは,VS classification systemによる癌・非癌の診断に有用な指標である2).
それによると,demarcation lineの内側にirregular MV patternやirregular MS patternが存在する場合を癌と診断する(Fig. 2).