demarcation line (ガストロ用語集 2023 「胃と腸」47巻5号より)

demarcation line

demarcation lineとは,一般的には,境界線,分画線,分界線を指し示す用語である.

局在した粘膜病変の拡大内視鏡診断を行う際の指標に用いる場合,局在病変の背景粘膜と病変に存在する明瞭な境界線をdemarcation lineと称する(Fig. 1)1)

Fig. 2 0-IIc 型早期胃癌(未分化型癌)のNBI 併用拡大内視鏡像.内視鏡画像の上2 / 3 が癌粘膜である.背景粘膜の閉鎖性ループ状微小血管すなわちMV pattern は,同じ形態を保ったまま徐々に拡張し癌粘膜に移行している.背景粘膜の弧状の腺窩辺縁上皮すなわちMS pattern は,癌粘膜に移行しても,同じ形態を保ったままで
ある. したがって,MV pattern とMS patternに急峻な変化を認めないため,demarcation lineは同定できいと判定する.
〔武藤学,他.NBI 内視鏡アトラス.南江堂,p174,図5,2011 より転載〕
Fig. 2 0-IIc 型早期胃癌(未分化型癌)のNBI 併用拡大内視鏡像.内視鏡画像の上2 / 3 が癌粘膜である.背景粘膜の閉鎖性ループ状微小血管すなわちMV pattern は,同じ形態を保ったまま徐々に拡張し癌粘膜に移行している.背景粘膜の弧状の腺窩辺縁上皮すなわちMS pattern は,癌粘膜に移行しても,同じ形態を保ったままで ある. したがって,MV pattern とMS patternに急峻な変化を認めないため,demarcation lineは同定できいと判定する. 〔武藤学,他.NBI 内視鏡アトラス.南江堂,p174,図5,2011 より転載〕

demarcation lineの有無を判定するには,背景粘膜と病変の間に微小血管構築像〔MV(microvascular)pattern〕

または表面微細構造〔MS(microsurface)pattern〕の急峻な変化(abrupt change)を認める場合を,demarcation lineありと判定する.

demarcation lineは,VS classification systemによる癌・非癌の診断に有用な指標である2)

それによると,demarcation lineの内側にirregular MV patternやirregular MS patternが存在する場合を癌と診断する(Fig. 2)