びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (ガストロ用語集 2023 「胃と腸」47巻5号より)

diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma ; DLBCL)は全悪性リンパ腫のなかで最も頻度の高い組織型である.

胃原発悪性リンパ腫の30~40%を占め,MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫(40~50%)に次いで頻度が高い.

組織学的には大型の異型B細胞のびまん性浸潤を呈する.

HE標本のみでは未分化癌と誤診されることがあり,免疫染色でB細胞マーカー(CD20またはCD79a)陽性を確認する必要がある.

同一病巣内にDLBCLとMALTリンパ腫が存在する場合,

一致したクローンとは限らないため,high-grade MALTリンパ腫の名称は使用しない(WHO分類第4版,2008年).

胃DLBCLは内視鏡上,限局した腫瘤を形成することが多い.

胃リンパ腫の肉眼分類の佐野分類(表層・潰瘍・隆起・決潰・巨大皺襞)と八尾分類(表層拡大・腫瘤形成・巨大皺襞)に従うと,

大半は隆起・決潰型(Fig. 1, 2),または腫瘤形成型に相当する.