2003年にBarrett食道の内視鏡診断の標準化を目指して,
IWGCO(International Working Group for the Classification of Oesophagitis)により,プラハ分類が提唱された1).
プラハ分類では,内視鏡で観察できるBarrett食道を“endoscopic Barrett’s esophagus”と定義し,
組織学的なBarrett食道と区別している.
Barrett食道の表記に客観性をもたせるためにプラハ分類では,
食道胃接合部(esophagogastic junction ; EGJ)を胃のひだの最口側と定義している.
本邦では,以前より食道胃接合部の基準として柵状血管下端が用いられているが,
逆流性食道炎を合併した場合には柵状血管の観察が困難であるなどの理由により,プラハ分類ではこの基準は用いられていない.
また,Barrett食道の長さの記載に際して,上記で定義された食道胃接合部を基準線とし,
それより連続して伸びる円柱上皮の円周性の部分を“C”(circumferential extent)とし,
次に舌状に伸びる部分の最大長を“M”(maximum extent)とし,この2項目を用いて記載するように決められている(Fig. 1).
なお,Barrett食道の長さの測定は,
内視鏡のシャフトに刻まれたスケールをバイトブロック上で行うことが推奨されている.
Fig. 2の症例では,“C”は1cm,“M”は5cmでありC1.0/M5.0と記載することになる.