逆流性食道炎の内視鏡的重症度分類は,これまでに様々な分類法が提唱されてきたが,1996年に国際的に通用する標準的分類としてロサンゼルス分類が提唱された1).同分類は3年後に一部の修正が加えられ2),その後の検討により同分類は24時間pHモニタリングでの食道内逆流の程度とも強く相関することが確かめられており,今日世界的に最も広く普及している内視鏡的重症度分類と考えられる(Fig. 1).
ロサンゼルス分類には,従来までの分類と比較して大きく異なる箇所が2点ある.1点目は,食道のびらんと潰瘍を区別せず,両者を粘膜傷害(mucosal break)という1つの概念に包括し,その重症度を縦・横方向の拡がりの程度によって4段階に分類したことである.2点目は,従来までの分類ではBarrett食道や狭窄は最も重症な所見と位置づけられていたが,ロサンゼルス分類ではこれらの所見は重症型ではなく合併症として取り扱うものと規定されている点である(Table 1).