「頭頸部癌取扱い規約」1)によれば,
中咽頭は硬口蓋,軟口蓋の移行部から舌骨上縁(または喉頭蓋谷底部)の高さまでの範囲を指し,4つの亜部位(前壁,側壁,後壁,上壁)に分類される.
下咽頭は,舌骨上縁から輪状軟骨下縁までの範囲を指し,3つの亜部位〔咽頭食道接合部(輪状後部),梨状陥凹,咽頭後壁〕に亜分類される.
咽頭領域の発癌には,ALDH2(aldehyde dehydrogenase-2)ヘテロ欠損型の非常に強い影響と
ADH1B(alcohol dehydrogenase-1B)ホモ低活性型,フラッシャー,赤血球MCV(mean corpuscular volume)の増大,
高度の喫煙の影響が指摘されており2),食道癌に類似している.
さらに,食道癌多発例や食道内ヨード不染多発例も,高危険群である3).
肉眼型は,「食道癌取扱い規約」に準じており,表在癌は0-I型(Fig. 1),0-IIa型(Fig. 2),0-IIb型(Fig. 3, 4),0-IIc型(Fig. 5, 6)に分類されている.