古典病理学では、細胞浸潤 (cell infiltration)とは、組織が細胞の侵入を受けている状態を意味しています。
なかでも、炎症の際にみられる細胞浸潤を「炎症性の細胞浸潤 (inflammatory cell infiltration)」と言い慣わしています。
そして、リンパ球や形質細胞は円形の核を有するものがほとんどであることから、分葉核を有する好中球と区別する目的で、小円形細胞浸潤 (small round cell infiltration)と記載されることがあります。
また、好中球もリンパ球・形質細胞も多くは単核の細胞であることから、単核細胞浸潤と表現する立場もあります (なお、まれに二核の形質細胞があります)。
一方、浸潤という術語は、腫瘍病理学では腫瘍細胞の間質侵入の意味でも汎用され、その場合はinvasionと表記されることはご存知の通りですが、用語の使い方はたいへん難しいもので腫瘍細胞が浸潤性に発育する様子を表現する場合は、infiltrative growthと表記します (invasive growthとは表記しません)。
さて、この二次浸潤という用語はリンパ球系腫瘍や白血病の腫瘍細胞による他臓器浸潤を表現する際に好んで用いられます。
たとえば、腸間膜リンパ節に発生したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫が他臓器に浸潤した場合や副鼻腔原発リンパ腫が中枢神経に浸潤した場合に二次浸潤という用語を使います。
また、関連用語として「リンパ腫の白血化」があります。
この白血化は、本来、リンパ節や節外臓器で腫瘤を形成するリンパ腫の腫瘍細胞が末梢血中に出現する現象を指します。
いずれも知っておくと便利です。
