転移を来した大腸粘膜内癌症例の報告はないが,
SM癌は10数%にリンパ節転移を認めるため,内視鏡的に完全摘除するだけでは根治と判定できない.
「大腸癌治療ガイドライン2010年版」1)では,新しいリンパ節転移危険因子である簇出(budding)を導入し,
大腸SM癌内視鏡的摘除後の追加治療方針をTable 1のように推奨している(Fig. 1).
切除垂直断端が陽性の場合は,腸壁内に癌が遺残している可能性があり,外科的追加手術を行うべきである.
また,すべての条件が陰性であれば,経過観察でよい.
Table 1, 2)の① ~④のどれか1つの条件があれば追加手術を行わなくてはいけないと誤解している先生がいるようであるが,そうではない.
転移の可能性があるので個々の病理学的因子を考慮してそのリスクを算出し,
患者と一緒に追加手術を行うか否かを考えるべきであると述べているのである.
実際,SM浸潤度1,000μm以上の病変でも,