NBI(narrow band imaging)は腫瘍表面のvascular patternの評価に有用であるが,
NBIの構造強調機能を活用して胃と同様に大腸でもsurface patternを評価することの重要性がクローズアップされている1).
大腸腫瘍に対するNBI分類は,各施設から複数提唱されており,
また,分類ではないものの,いくつかの評価方法も検討されている.
いまだ本邦で統一された分類が存在しないため,これを簡単に解説することは難しいが,
その概略と相互関係について解説する1).
佐野分類は純粋に微小血管構築を評価したものである.
腺管腔を取り巻く茶色の網目状血管をCP(capillary pattern)とし,
それらの視認性と口径不同,蛇行,途絶所見によりI/II/IIIA/IIIBに分類している.
広島分類は,surface patternと微小血管構築を総合的に評価したものでA~Cに分類し,CをC1~C3に細分類している.
昭和分類は佐野分類や広島分類のようなCategory分類ではなく,NBI所見を列記した形式をとっている.
慈恵分類は,微小血管構築にsurface patternを加味した分類である.
そのほかの評価法として,久留米大学,福岡大学筑紫病院,がん研有明病院などからも
上記分類とsurface patternの組み合わせなどの評価法が検討され報告されている1).
現在,筆者と佐野寧先生で,欧米の大腸内視鏡医たちと国際共同研究を行っており,シンプルなNICE分類(Table 1)を提唱している1).
単純なType 1~3の3つのCategory分類で,分類の基本となる所見は,(1) color,(2) vessels,(3) surface patternの3項目である.
Type 1は過形成病変,Type 2は腺腫~SM微小浸潤癌,Type 3はSM深部浸潤癌の指標になると考えている.
NICE分類は,高画素電子内視鏡近接観察で得られる所見をもって境界線を引いた分類であるが,