好酸球性食道炎は,食物や空気中の抗原により食道上皮への好酸球浸潤を主とするまれなアレルギー疾患である.
病因は明らかでないが,飛沫抗原により刺激された食道上皮のヘルパーT細胞(Th2)が活性化され,
IL-5やeotaxin-3により好酸球の増加が誘導され,慢性的な好酸球による炎症が起こることが病因と考えられている1).
本疾患は1978年Landresら2)により初めて報告され,本邦では2006年Furutaら3)が最初に報告した.
患者は比較的若年の男性に多く,主訴には嚥下困難,食物のつかえ,胸やけなどがある.
内視鏡所見として白斑,縦走溝,輪状溝,輪状狭窄,敷石様変化,浮腫,血管透見消失などが認められる(Fig. 1).
白斑は好酸球が4個以上集簇したeosinophilic microabscessである.
一方で,内視鏡検査で異常が発見されない例も存在する.
明確な診断基準はないが,病理組織学的な食道上皮への好酸球浸潤(Fig. 2)は診断に重要であり,