小腸の順行性X線造影検査は,本邦では1960年代より開始され,主に経口法と十二指腸ゾンデを用いた経管法が行われてきた.
経口法は,胃X線検査に引き続いてあるいは小腸造影のみを目的として経口的に硫酸バリウムを投与し,小腸の充盈像と圧迫像を得る(Fig. 1).
検査開始後,造影剤が盲腸に到達するまで15~30分間隔で観察と撮影を行うが,丹念な圧迫と体位変換を繰り返しながら小腸索を分離し病変を検出する.
経管法(ゾンデ法)はバルーン付きゾンデを用いて造影剤と空気を注入し小腸の二重造影像を得る方法である(Fig. 2, 3)1)~3).