形質細胞腫(二村 聡の消化管病理用語集)

plasmacytoma

病理学的には、形質細胞が単クローン性に増殖して腫瘤を形成したものと定義されます。

通常、形質細胞腫は骨髄以外の臓器 (例えば皮下や筋組織内あるいは臓器)に腫瘤を形成する「髄外性の形質細胞腫 (extraosseous/extramedullary plasmacytoma)」をさしています。

孤立性発生例と多発性発生例とがあり、前者は比較的予後良好ですが、後者はしばしば骨髄に浸潤巣を伴っており予後は不良です。

 

消化管発生例の病理診断では、形質細胞分化が顕著なMALTリンパ腫との鑑別が臨床的に重要です。

 

なお、骨髄内に形質細胞が単クローン性に増殖し、骨溶解病巣を形成するものは「骨髄腫 (plasma cell myeloma/multiple myeloma)」と呼称し、区別しています。

 

 

 

 

 

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著者

  • 二村 聡 : 福岡大学筑紫病院病理部・病理診断科

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