Kimura,Takemotoにより1966年,本邦における内視鏡的萎縮境界の概念が報告された1).
これは,内視鏡的萎縮所見と生検標本による病理組織学的萎縮所見とを確認した萎縮性胃炎の拡がりの分類である.
この木村・竹本分類では,萎縮性胃炎の進展を胃粘膜の平面的な拡がりで評価し,
内視鏡的萎縮境界が胃体部小彎側で噴門を越えないclosed type(C-1~C-3)と,
それを越え大彎側に進展するopen type(O-1~O-3)に分類される(Fig. 1).
すなわち,C-1は萎縮粘膜が前庭部にとどまるもの,
C-2は胃角部から胃体下部に至るもの,
C-3は胃体上部までにとどまるもの,
O-1は萎縮粘膜が噴門周囲までにとどまり,大彎のひだはほぼ保たれているもの,
O-3は全体的に大彎のひだが消失し,萎縮が全体にあると考えられるもの,
O-2はO-1とO-3との間と考えられている.
このように内視鏡的萎縮境界を診断することにより,臨床的に萎縮性胃炎の拡がりを評価することが可能である(Fig. 2).
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