Treponema pallidum (トレポネーマ・パリダム)の感染によって引き起こされる疾病です。
胎児が胎盤を通じて母体から感染する先天性梅毒と、後天性梅毒とがあります。
後天性梅毒の自然経過としては、感染後約3週間で侵入門戸に初期硬結や硬性下疳 (浅い潰瘍)を生じ、やがて領域リンパ節が腫脹します (これが第一期)。
感染から約4週後に梅毒血清反応が陽性になり、約3か月で皮膚にバラ疹といった特有の所見 (梅毒疹)が出現します (これが第二期)。
治療介入がないまま経過すると、年余にわたって消退・再発を繰り返しながら全臓器を侵すようになります (これが第三期)。
感染力が最も強いのは第一期です。
この梅毒の診断は、臨床医が本疾患を疑って検査するかどうかにかかっています。
また、生検組織依頼書に梅毒疑診と記載されていなくても、病変内に著明な形質細胞浸潤巣を確認した病理医が梅毒を疑って検索を進めれば、正しい診断にたどり着きます。
本疾患は決して昔の病気でありませんので、臨床医も病理医も「もしかして梅毒?」すなわち「疑う」ことが本疾患の診断の出発点であることを再認識しておきましょう。
