濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma ; FL)は低悪性度B細胞性リンパ腫であり,従来そのほとんどはリンパ節性であると考えられていた.
しかし,近年,検診などで十二指腸下行部の白色顆粒状病変として偶然発見される消化管原発FLの報告が増加してきており,
2008年に出版されたWHO分類第4版1)においてもFLの1亜型としてprimary intestinal follicular lymphomaの項目が新たに設けられた.
また,カプセル内視鏡やバルーン内視鏡の開発により,多くの症例で病変が空腸・回腸に併発することが明らかになった2).
本邦の多施設による検討3)では,発生に性差はなく,無症状で偶然発見される症例が8割近くを占めている.
内視鏡所見の典型像は十二指腸下行部の白色顆粒状隆起の集簇所見である(Fig. 1a).
空腸病変も十二指腸病変と同様に白色顆粒状隆起を呈することが多いが,輪状潰瘍や狭窄を呈する症例,腫瘤状隆起を形成する症例も存在する.
一方,回腸病変では終末部に周囲健常粘膜と同色調の多発性隆起病変(Fig. 1b)として存在し,