畳目模様(tatamime sign)1)は食道の内視鏡観察時にみられる細かい輪状のひだを指し,畳の模様に類似した所見である.
別名,“輪状ひだ(食道)”や“畳の目サイン”と呼称されるニックネームであり,消化器内視鏡用語集2)にも記載されていない.
畳目模様は食道表在癌の深達度診断に有用な所見として,神津3)により「胃と腸」で報告された.
通常観察時にも出現するが,ヨード染色後に出現することが多い(Fig. 1).
また,意識的に出現させることは難しく,空気量を調節し,弱伸展で待っていると,出現しやすい.
正常粘膜では,均一な細い輪状かつ波様のひだとしてとらえられる.
pT1a-EP癌では畳目模様は崩れることはなく(Fig. 2),pT1a-LPMの癌病巣では1/2の症例で模様が崩れ,
pT1a-MM以深の癌病巣では途絶すると言われている(Fig. 3, 4)4)~6).