硬性下疳(二村 聡の消化管病理用語集)

Hard chancre

菌の侵入門戸に生じる痛みのない、小さな潰瘍です。

したがって、第一期の肉眼所見です。

性器のみならず、口腔内・咽頭・扁桃にもみられます (Fig.1)。

 


Fig.1 硬性下疳の肉眼像.口腔内に深くえぐれた潰瘍をみる.潰瘍の周縁は少し高くなっている.無痛性.


侵入門戸に最初にできる硬結 〔初期硬結 initial sclerosis (Fig.2)〕の表層部が壊死・脱落し、浅い潰瘍 (これを下疳という)を形成します。


Fig.2 初期硬結の肉眼像.初診時の口腔粘膜に白濁した円盤状丘疹をみる.無痛性.

その潰瘍周縁に硬く触知される硬結部が残っていることから、硬性下疳と表現されるようになりました。

硬結部では高度の形質細胞優位の細胞浸潤が確認されやすく、生検部位として最適です。

 

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著者

  • 二村 聡 : 福岡大学筑紫病院病理部・病理診断科

タグ

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