色素内視鏡 (ガストロ用語集 2023 「胃と腸」47巻5号より)

chromoendoscopy

色素内視鏡検査

内視鏡観察法のうち,色素内視鏡検査は画像強調観察に分類され,内視鏡検査において何らかの色素を用いて消化管粘膜,または消化管表面を観察する方法を色素内視鏡検査と総称される.

現在行われている色素内視鏡検査をTable 1に示す.

 

Table 1 色素内視鏡検査に用いられる色素
Table 1 色素内視鏡検査に用いられる色素

色素法には,色素を撒布して周囲との境界を明瞭にしてコントラストを強調するコントラスト法と,

色素を撒布して直接組織を染色する染色法,生体との反応を利用した反応法,蛍光法がある.

コントラスト法(Fig. 1)は撒布された色素が陥凹部位にたまることで凹凸の変化を強調したり,色調の変化を強調する方法である.

染色法は色素と生体組織の反応により色素が吸収されるのを利用し,生体組織の染色像を観察する方法であり,吸収機能や病態などを調べる目的で行われる.

Fig. 1a 盲腸のIIa(LST-G)病(a : 通常観察,b : インジゴカルミン撒布後).
Fig. 1a 盲腸のIIa(LST-G)病(a : 通常観察,b : インジゴカルミン撒布後).

Fig. 1b 盲腸のIIa(LST-G)病(a : 通常観察,b : インジゴカルミン撒布後).
Fig. 1b 盲腸のIIa(LST-G)病(a : 通常観察,b : インジゴカルミン撒布後).

反応法(Fig. 2)は色素が特異的に反応する特性を利用した方法で,分泌能,疾患,病態の診断に用いられる.

蛍光法は生体の自家蛍光を利用した自家蛍光内視鏡検査,各種の感受性色素を投与し,その蛍光を観察する方法であり,疾患や病態の診断に用いる.