消化管原発性リンパ腫のうち,食道原発リンパ腫は1%未満である1).
医学中央雑誌による文献検索では,1999年から現在まで本邦で7例のみ(会議録を含めて13例)であった2)3).
食道悪性リンパ腫のうち食道MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫に関しては当院での「胃と腸」の報告例2)を含めて以下の特徴がある.
画像診断では,(1) 食道X線検査所見で比較的大きな腫瘍だが内腔は比較的保たれており拡張が良好で,
立ち上がりがなだらかな粘膜下腫瘍の要素を呈していること(Fig. 1),
(2) 上部消化管内視鏡検査で黄白色調の粘膜下を主体とする比較的軟らかい病変として認識されること(Fig. 2),
(3) 超音波内視鏡所見として第2~3層を主体とする均一な低エコー域として認識される病変であること(Fig. 3),