第5回 エコーにより進行大腸癌を初診時に診断する

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命にかかわる便秘の本体を見極める

「命にかかわる便秘とはどんな症例であろうか?」この問いに対する答えは明確である。

最も頻度が高いのは、進行大腸癌による便通異常(便秘あるいは下痢など)である。

外来診療における便秘患者の多くは機能性便秘であり、症状管理で対応可能だが、わずかながら存在する器質的疾患、特に進行大腸癌の見落としは医療訴訟に発展しかねない重大な臨床課題となる。

ハッピー胃腸クリニックでの臨床経験では、全周性2型大腸癌症例の約80%がPOCUSで検出可能だった。

このことはPOCUSの習得により、外来患者における大腸癌高リスク群の適切な同定が実践可能であることを示している。

POCUSによる大腸癌の系統的観察法

大腸の系統的観察法とは、盲腸・上行結腸から直腸に向けて連続的に観察していくことである。

つまり、盲腸・上行結腸⇒横行結腸⇒下行結腸⇒S状結腸⇒直腸の順序で各部位の腸管径、腸管壁の厚さ、層構造の保持状況を評価していく。

詳しくは、本連載第2回「便秘診療のための大腸系統的観察法」をご参照いただきたい。

◾️Caliber changeに注目する 

進行大腸癌などによる狭窄による通過障害があると、拡張した腸管がある部位から急激に虚脱する現象(caliber change)が生じる。

このcaliber changeが認められた場合、その移行部に癌を示唆する限局性壁肥厚がないかに注目して注意深く観察することが重要である。

一方、狭窄が高度でない場合には、caliber changeが必ずしも生じない。

したがって、caliber changeがなくても限局性の壁肥厚部位を見逃さない姿勢が望ましい。

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