第3回 潰瘍性大腸炎-治療効果および寛解期のモニタリング

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治療効果のモニタリング

潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)では、症状の軽快とともに腸管エコー(intestinal ultrasound: IUS)所見は改善します 1)。経会陰超音波検査(transperineal ultrasonography : TPUS)は、UCにおける症状の改善を予測するツールとして提案されており、直腸の腸管壁厚(bowel wall thickness:BWT)の変化を測定することで予測が可能です。

寛解導入療法の最初の1週間での直腸BWTの早期改善は、先進的治療後のUCにおける組織学的寛解を確実に予測します 2)。一方で、治療開始6週目でのBWTと腸壁血流の多寡は、治療フォローアップ(8~26週)での内視鏡的寛解と改善を予測できます 3)

炎症の重症度を評価するMilan Ultrasound Criteria(MUC)は治療効果の予測や再燃予測にも有用です〔MUC=1.4×BWT (mm) +(血流なし 0、血流あり2)〕。MUC≦6.2がMayo内視鏡サブスコア(Mayo endoscopic subscore :MES)0, 1を予測する唯一の独立因子であることが明らかになっています。当院でも、治療14週後のIUSでMUCが改善(MUC 3.8)した症例では、24週後に内視鏡的粘膜治癒を達成しました(Fig.1)。

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