第1回 大腸鋸歯状病変の基礎 ―WHO分類を中心に― 
村上 敬(順天堂大学 消化器内科)

 

はじめに

大腸鋸歯状病変とは、大腸粘膜にできるポリープの一種で、特に鋸歯状構造を示すものを指します。

 

WHO分類第5版(2019年)では1)、大腸鋸歯状病変は、hyperplastic polyp(HP)、sessile serrated lesion(SSL)、SSL with dysplasia(SSLD)、traditional serrated adenoma(TSA)、unclassified serrated adenomaに大別されます。

 

第4版(2010年)からの主な変更点は、 " sessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)"に代わって "SSL "という用語が導入されたことです。

 

さらに近年、特徴的な形態と分子異常を示す新たな大腸鋸歯状病変として、superficially serrated adenoma(SuSA)が本邦より提唱されています2)

 

本稿では、大腸鋸歯状病変の基礎として、その概略とWHO分類について概説します。

 

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