第1回 RDIがもつユニークな特徴/食道・胃ESDにおけるピンチヒッター 
蓑田 洋介(九州大学 病態制御内科学 )

食道ESDでは出血することがあまり多くないため、比較的型通りのESDで終わることが多いのではないかと思います。一方で胃のESDは出血に難渋することがありますが、出血点を確認するのにRDIが役立つとされています。本稿ではそれ以外のRDIがもつユニークな特性を紹介いたします。出血以外では、ESDの治療困難要因にもさまざまあります  が、延々と逆流してくる十二指腸液はその一つです。決してよく遭遇する局面ではありませんが、遭遇すると非常に視認性が悪くなります。特に胃前庭部の症例や下部食道のESD時にまれに経験するこの胆汁逆流の症例です。視認性が落ちるため、近接して切除しようとすると邪魔になることがあります。

 

そんなときには一度RDIを試してみてください。胆汁の色が一気に薄くなります。胆汁の黄色い成分は主にビリルビンですが、このビリルビンはBlueの波長帯でよく視認されます。
RDIはBlueの波長がないため胆汁の色が認識されにくいものと思われます(Fig.1)。

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