すでに広く普及した感のあるCold Snare Polypectomy(以下CSP)ですが、簡便さが売りであるものの、正しい普及がなされないと患者さんの不利益となり得る手技です。
ご存知の通り、従来の通電を伴うHot Snare Polypectomy (HSP)やEMRと比較し、通電をせずにスネアの圧力のみで切除するCSPは、出血や穿孔といった有害事象のリスクが軽減できる反面、その適応には限界があり、注意が払われるべきです。
CSPは1992年にイタリアのTapperoらのグループからGastrointestinal Endoscopy誌に報告があり、2012年に同じくRepiciらの多施設研究の報告ののち、広く普及しました。
我々の施設でも国内では比較的早期からCSPを導入し、数々の臨床研究に取り込みエビデンスを構築してきました。
今回、米国内科学会誌であるAnnals of Internal Medicineに我々の施設を中心となって実施した抗凝固薬服用中の患者さんに対するCSPに関する多施設研究の結果が公表されることになり、これまで以上にCSPが普及することが予想されます。
このコラムでは、複数回にわたり我々の手がけた臨床研究などを中心にそのエビデンスを解説し、正しい普及に寄与できればと思います。
【目次】※順次公開予定
1.CSPの完全摘除割合
2.CSPの適応
3.CSPの安全性
4.CSPの応用編
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(担当:Wall-E)