このコンテンツは、“すべては患者さんのために” をテーマに、質の高い大腸内視鏡検査(total colonoscopy : TCS)の普及をめざしパターン化された挿入法を作成・改良する勉強会である「二木会」とのコラボ企画です。
(「二木会」についての説明はこちらの連載トップページをご覧ください。)
第2回は、 二木会で実践されている代表的な大腸内視鏡挿入法について、二木会 副塾長の村田聡先生(ムラタ胃腸内視鏡クリニック)にご解説いただきました。
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大腸内視鏡挿入法には多種の挿入法が存在するが、大きく分けると、意識的にループを作り解除して挿入する方法(「ループ法」)と、なるべくループを作らないで挿入する方法(二木会では「ホールド法」と呼んでいる)が存在する。
現在では行っている先生は少ないと思われるが、以前は「二人法」といってスコープを出し入れする助手とスコープを操作する検者の二人で、かつ透視下で行っている時代があった。
この頃の挿入は基本的にプッシュ操作が中心であり、S-colonはSDJ(SD junction)を鈍角にするためにあえて大きな左側へのループを作り(逆の字)D-colonで直線化するという挿入であった。
現在、透視下、「二人法」かつ大きなループを作る挿入を行っているのは少数ではないかと思われる。
S-colonがループを形成するような症例でもなるべく小さなループ形成を心がけて挿入することが多い。
二木会では左結腸曲(left colic flexure. ; LCF)でスコープが直線的に挿入しており体外ループ解除する必要がない挿入を「ホールド法」、LCFで体外ループを解除する必要がある挿入を「ループ法」と定義している。
スコープ挿入では、直線的に挿入することは理想かもしれないが、解剖学的に完全に直線でLCFまで挿入することは不可能であり、どんな挿入も小さな曲がりを描いて挿入していくため、逆の字法のような大きなループ以外でも小さなループを直線化するという作業を行っているためこのように分類している。
すなわち「ホールド法」にはかなり直線的に挿入する方法や小さなループを作って直線化する挿入も含まれている。
軸保持挿入とは少しイメージが異なるかもれないが、かなり近い挿入であると考える。
二木会の支部長らに行ったアンケートでも、初めから「ループ法」を行う先生は少数であり、「ホールド法」で挿入していく先生がほとんどであった。